ブブ美エクスペリエンス

ブブ美が体験したことや気になって調べたこと、実際に試した結果(人体実験)を発表しているブログ。ネットで見つけたレシピを作った感想なども書いてます。

【お寺と神社の違いについて】神様、仏様

前回、裁判を傍聴したことについて書きました。

ブブ美、地裁に立つ!! - ブブ美エクスペリエンス

簡単に事件を説明すると、僧侶である夫が妻を殺害した、という事件。
傍聴の感想は、後日まとめて書こうと思っていますが、今回はその事件を通して気になったことについて調べたので頭の整理を兼ねてまとめてみようと思います。


被告人は証言で、
「妻には年間で480万、月に30万円を生活費とは別に小遣いとして渡していた」
と、述べておりました。
これを聞いた途端、私の後ろに座っていたおじさんが「ウィッ…」と思わず声を上げたので吹き出しそうになりました。なんやねん、その鳴き声。
いや、待てよ。吹き出している場合じゃない。30万×12ヵ月は360万。計算が合わないじゃないか。検察官も疑問に思ったようで、計算が合わないことを告げると被告人からすぐさま、ボーナスを3回渡していた、と追加の証言が。

いやいや、月30万って、私の給料より多いし、今時、年3回もボーナスを貰えるなんてそんな会社中々ないぞ。

宗教ってそんなに儲かるのか。
帰りに母が「お寺ってそんなに儲かるんやね」と言ったので「お布施は非課税やからなぁ」とドヤ顔で返しました。
「お布施は非課税」というのは「まりあ†ほりっく」で祇堂鞠也様が言っていた台詞の受け売りです。

でも、なぜ非課税になるのかは知りません。
ちゃんと調べてみよう!

神様、仏様

神様、仏様

さて、お金の話をする前に、日本のお寺について解説していこうと思います。というか、お寺と神社って何が違うの?

そもそもお寺と神社って何が違うの?

実は大学時代、私はお寺と神社関係について研究を行っており、その当時はよく、このような質問を受けてきました。
色々と違いはありますが、根本を簡潔に述べると
信仰するものが違います。
簡単に解説していきます。

お寺とは

まずはお寺ですが、僧侶等が居住し、修行を行う場所です。
仏教は仏様つまり、ブッダの教えに従い、悟りと解脱を目標とします。
ブッダといえば、手塚治虫先生の『ブッダ』や中村光先生の『聖☆おにいさん』が有名ですのでご存知の方も多いでしょう。ブッダはお釈迦さまとも呼ばれます。

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今回の話と関係ないけど、『聖☆おにいさん』の弁才天って絶対椎名林檎をモデルにしてるわ。

神社とは

次に神社ですが、神道の祭祀場所です。
神道というのは、日本固有のもので、仏教のように具体的な教えや開祖がいません。
八百万の神」なんていう言葉を聞きますが、神様は沢山、というかありとあらゆるものに宿っており、これを信仰の対象とします。米粒一粒にだって宿っている。
メジャーな神様をあげるとするなら、お伊勢さんでお馴染みの天照大神

伊勢参りに行こうぜ、ベイべ長瀬智也かっこいい。関係ないけど、弥次さん喜多さんがホモカップルというのは腐女子の常識です。


仏教には「ブッダ」という明確な教えを説く人がおり、また信仰の対象になっているのに対し、神道はその信仰の対象を絞らず、ありとあらゆるものに神様が宿っているという考えです。

つまり、根本は全く違うのです。
よく、絶体絶命のピンチの時などに「神様、仏様」なんてお祈りをする描写がありますが、あれはそれぞれ神道と仏教それぞれにお願いをしているということになります。ドラえもんで昔、のび太くんが「神様、仏様、しずか様!」とお祈りをしているシーンがあったのを覚えています。
クリスマスや最近ではハロウィンまで取り入れている極めて日本らしいセリフですね。

何故、混同されているの?

学生の頃、歴史の時間に「神仏習合」という言葉を覚えたと思います。
テストの際に「習合」ではなく、「集合」と書いて減点された方は結構いるはず。
日本では次第に仏教と神道を融合する考え方が形成され、明治に「神仏判然令」が出るまで仏教と神道は混合されていました。
この神仏習合は1000年以上かけてゆっくりと形成されていたため、現在もその色がまだ残っています。
鳥居のあるお寺やお寺にある神社などがその一例です。
あと、ホラー映画や昔よく放送されていた心霊番組で破壊された仏像が映されたりしますが、廃仏毀釈で破壊されたものもあります。

宗教従事の方以外、日常生活でこの2つの宗教の違いを感じることはあまり無いと思いますが、お葬式などの儀式でその違いを感じることになると思います。

例えば、仏教では亡くなった故人に対して行われる祭儀をを◯回忌と呼びますが、神道では式年祭といい、◯年祭と呼びます。
また熨斗の表書きも、仏教は「御供」、神道は「御霊前」と書きます。

仏教では死後は良いことをした者は天国、悪いことをした者は地獄にそれぞれ送られます。
地獄については後々書いてみたいと思いますが、今回はこの点については割愛。
気になる方は鬼灯の冷徹を読むなり見るなりしていただければ、と。

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神道では死後、神になるそうです。
これは学生の頃、師事していた教授に教わったのですがそれを聞いてから私も神になりたいので、神道へ鞍替えをするか絶賛悩み中です。


お寺は仏教。神社は神道で、それぞれお釈迦さまとありとあらゆるものに宿る神様をそれぞれ信仰の対象にしています。
これらの違いを分かっていないのは、1000年以上続いた神仏習合の所以であるというのが簡単なまとめです。
ぶっちゃけ、1000年以上かけて同一視してきたら、それはもう遺伝子に刷り込まれているのと同義。混同するのは仕方ないよねーと毎回説明しながら思っていました。
パワースポットとかインスタ映えとかほざいて神社に通う連中、オメーらだけは許さねえけどな!!!!!!

お坊さんって結婚していいの?

そもそも僧侶って結婚していいの?タイの僧侶は結婚していないというかしてはいけないというイメージがあります。というか、女性は僧侶に触れてはいけない。女性がタイ旅行をする上の注意点で、「僧侶に触れてはいけない!」と注意喚起の記事がたくさん見つかります。

しかし、日本の僧職の方を見ると結婚されている方も多い。
何故、結婚をしてはいけないというイメージがあったのか。

戒律によるもの

仏教の教えの一つに「淫戒」というものがあります。淫戒というのは異性とやらしいことはしてはいけないということ。邪な心を捨てるのは悟りへの一歩です。この「異性とえっちなことをしてはいけない」というのを逆手に男色が起こり、武家にまで発展して衆道になるんだから、悟りもクソもないよね。つまり、元々は戒律によって禁止されていた。
しかし、浄土真宗親鸞などに代表されるように結婚する僧侶もいたのは事実で、仏教を突き詰めていく過程で、「結婚」についての考え方も改められた宗派もありました。それでも、明治に僧侶の妻帯・肉食・蓄髪を許可する太政官布が出されるまでは僧侶の結婚を禁止する宗派も多くあったようです。

妻帯はすんなり受け入れられたのか?

どうなんですかね、実際のところは。お坊さんも、民衆も反発してはおかしくなさそうだけれども。タイなどではものすごく抗議されそうですが、当時の日本ではどんな様子だったのかは、私の調べた限りではわかりません。しかし、今日、妻帯をしている僧侶がいるということは、受け入れられたということ。日本の僧侶は海外と大きく違っているようです。

僧侶というのはあくまで職業

Googleで「僧侶 職業」と検索すると、僧侶はあくまで生き方であって、職業ではない、というお寺のサイトがいくつか見つかります。
しかし、ドラクエでは「僧侶」というのは職業とされていたり、13歳のハローワークというサイトでは職業として紹介されているのでなんだか切なくなりました。

仏教が中国から日本にもたらされた時、仏の教説が書かれた経典は「学問」、仏教儀式は「進んだ文化的様式」とされ、仏教は宗教というより文明として扱われたようです。

うーん、わかりづらい。

私なりの解釈で分かりやすく置き換えてみました。
みなさん、陰陽師はご存知ですか?

映画「陰陽師」

映画「陰陽師」

野村萬斎様でお馴染み。
ファンタジーのイメージが強いですが、平安時代陰陽師というのは「陰陽五行思想」に基づいて国家的な職務を行っていました。映画や創作物の陰陽師では魔法的な力を使っていましたが、実際は月の満ち欠けなど、自然事象などを考慮した科学的なものであったとされています。

仏教も陰陽道と同じで、業務を行うために特殊な技能を必要とするものという扱いであったというのが私の解釈です。

つまり、現代日本でいうと、エクセルのマクロ機能は仕組みを知らないと、魔法のように見えるが、仕組みを知ると簡単に作成できるもの。
現代のマクロが当時の仏教や陰陽道だったのかな、と置き換えて解釈してみました。

奈良時代平安時代の僧侶の主な仕事は国家鎮護の祈願や学業に関することであったため、特に祈願は専門的な知識が必要であったと推測されます。
科学的根拠を重視する現代日本では、「胡散臭い」や「スピリチュアル」だと思われているものであったが、当時はそれぞれ専門的な技能を持ったプロフェッショナルという認識。
現代、格差というものはあっても、身分というものはありませんが、昔のような身分制度社会では家格や職能を世襲したように僧侶も僧職を世襲することは十分考えられたと思われます。
そのため、日本では僧侶が妻帯をすることを異を唱える声が目立たなかったのではないかと推測しました。



さてさて、寺院についてはこれまでにして、次にお金の話をしようと思いますが、かなり長くなってしまったので今回はこの辺で。
いよいよ次回、みんな大好きお金についてまとめてみたいと思います。


参考文献

霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造 (新潮新書)

霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造 (新潮新書)