ブブ美エクスペリエンス

ブブ美が体験したことや気になって調べたこと、実際に試した結果(人体実験)を発表しているブログ。ネットで見つけたレシピを作った感想なども書いてます。

【重曹でインスタント麺を生麺に】ジョユーダム

楽して美味しい物を食べたい。

出来るなら自分で作って、研究をしたいのだけれど、生憎知識も物資も気合いもありません。

なので、テレビやネットで見た知識をすぐに試してみます。

 

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部屋の掃除も一段落し、綺麗になったカーペットの上に寝転がる。

週の中頃から散らかした部屋に罪悪感を覚えていたが、それとはもうおさらばだ。

 

昼食は何を食べよう。

手軽に済ませたいが、外食や買いに出るのはNOだ。

着替えることや化粧をすることを想像するとものすごく億劫に思い、このまま動くものかと意志を強めてしまう。

 

買い置きは何があったか考えを巡らせているとインターホンが鳴った。

 

通販を頼んでいたっけ?と短い間で側頭部に思案の網を拡げるが、思い当たる節はない。

モニターを覗くと同僚のさとみ先生が映し出されている。

慌てて玄関に向かい、ドアを開けると「暇だから来ちゃった」と肩を竦めておどけてみせた。

 

「ごめんね、いきなりで」

「ちょうど部屋の掃除が終わったところ。グッドタイミング」

 

さとみ先生は靴を脱いで、私はそれを迎え入れる。

「前に言ってた、映画のDVD、手に入ったから持ってきた。一緒に見よ」

「やった。」

 

さとみ先生はテレビの前に腰を掛け、慣れた手つきでDVDをセットした。

 

「お昼食べた?」

「まだ。なんか買ってこようと思ったんだけど、思い付かなくて」

「買い置きのインスタント麺しかないけどそれでいい?」

「食べれたらなんでもいいよー」

 

私は棚から袋麺を取り出す。
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たまたま安かったインスタント麺だ。

このまま、表示の通りに調理しても美味しいが、なんだか芸が無い気がする。

さとみ先生に驚いて欲しいし、美味しいって微笑まれたい。

 

鍋に水をいれて火にかける。水は鍋の3分の2ほどだ。その間に私は引き出しを開けてあるものを取り出した。


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炭酸水素ナトリウム、重曹。つまりベーキングソーダだ。

 

よくベーキングパウダーと混同されるが厳密にいえば別物だ。

ベーキングパウダーは、重曹をベースに重曹の役割を補助する成分を加えたもの。

重曹はそのまま使うと苦味が出たり、生地に混ぜると茶色っぽくなる。そのため、味や色の濃いお菓子、例えばどら焼きなどには重曹。色の薄いケーキのようなお菓子にはベーキングパウダーと使い分けが必要になる。

 

よく沸騰した湯に重曹と乾麺を入れる。

この時かなり泡立つが驚いてはいけない。熱湯に重曹を入れると強い発砲がみられるからだ。

予め鍋に余裕をもたせていると吹き零れる心配はない。

 

ゆで上がるまでの時間が勿体ないのでトッピングの準備をしておこう。

チャーシューなんて上等な物はないけど、豚バラならある。

醤油、砂糖、みりん、紹興酒で甘辛く炒めておく。

 

「なんかいい匂いする」

リビングに座っていたはずのさとみ先生がキッチンにやって来た。

「いい匂い」と褒められて思わず口許が緩んでしまう。

「もうちょっと待ってて」

「はーい」

気だるげに返事をして、さとみ先生は私の手元を覗き込む。揺れた髪から石鹸のいい匂いがした。

 

「そんなに見られたら緊張する。失敗するから向こうで待ってて」

インスタント麺で失敗なんてするのか?

自分でも疑問に思ったが、さとみ先生の香りでどうにかなってしまいそうなのは事実なので許して欲しい。スープを溢してしまうとか、しょうもない失敗をしてしまいそうだもん。

 

しぶしぶリビングへ戻るさとみ先生を見送って、冷蔵庫からタッパーを取り出す。

蓋を開けるとめんつゆのような香りとほんのり茶色が染み込んだ卵が私の視覚と嗅覚を刺激する。それを2つ取り出して、ゆっくりと包丁を入れる。

とろとろとした黄身が零れてしまわないように、ゆっくりと刃を滑らせる。半熟の味玉だ。思わず喉を鳴らした。

 

そうしていると、タイマーが時間を告げたので、麺をザルにあげて流水で滑りを取る。

水をしっかりと切って、皿に盛り付けて先ほどの味玉と豚肉で飾り付けた。

 

いけない、つけ汁を忘れていた。

慌てて、お湯で付属のスープを溶かして完成させる。

 

いや、ラーメンだけだと足りないか…。

冷凍していたご飯を解凍して手早くお握りを握る。ラーメンには高菜ということで、お握りの具は高菜の油炒めにした。

冷凍していたご飯は少し申し訳ない気がしたので、手巻き寿司用のパリッとした「ええ海苔」を巻いてサーブした。

 

「おまたせー!できたよー」

リビングで待つさとみ先生の前に、今の私が作ることが出来る最高のインスタントラーメンを置く。

 


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「わー!美味しそう!!」

いただきます!と勢いそのままにラーメンを食べるさとみ先生。

「なにこれ、麺がモチモチしてる!お店のみたい!!」

 

重曹を混ぜた水で湯がくことで、インスタント麺を作る際にできた穴を塞ぐらしい。よって、生麺と同じような状態に戻るため、インスタント麺でも生麺のような食感になるんだとか。

安藤百福氏の苦労を無にする行為だ。

 

美味しい、と麺を頬張るさとみ先生を見ながら、私はひそかに立川志の輔に感謝した。

 

ジユーダム

ジユーダム

 

【今回使ったもの】

日清 ラ王 醤油 5食パック 510g×6袋

【第3類医薬品】日本薬局方 炭酸水素ナトリウム 500g

重曹は少量ごとに小分けにされているのがオススメです。

掃除用コーナーに売っているものでも問題無いようですが、なんとなく抵抗があるので医薬品売場に売っていた炭酸水素ナトリウムを使ってます。